2011年 03月 10日
狼少女のベートーヴェン |
昨晩エレーヌ・グリモーのベートーヴェンの皇帝を聴いてきました。
いや〜実に濃い演奏でございました〜。
ジュースの原液をそのまま飲まされちゃった感じ。でも果汁100%の
上質の原液です。最初っから最後まで、重厚にパッショナブルに。
オケはいつものミュンヘンフィル、棒はティーレマン。
オケも、なんだか良いのか悪いのか、すごい演奏でした。
Tuttiの箇所で水を得た魚のようにブンブン鳴らして演奏しまくったかと
思うと、『おいおい』と突っ込みたくなる位、お気楽にピアノとずれてたり。
でもでも『さすがドイツオケだな〜』と感心する演奏でございました。
『揺らして、ズレてもこの安定感』は、日本のオケにはできない技です。
10年以上ぶりに聴いたグリモーのピアノ。
彼女ってこういう演奏するんでしたっけ?最初の印象をすっかり忘れていた
ので『皇帝』のあのピアノの『出だし』で驚いちゃいました。
『これ、フランス人?』『これ、あのかわいい女の子?』
今回も最前列で、ほぼピアノの裏側の直下で聴いたのですが、エレーナさん、
全鍵盤の底の底を指先が吸盤のように捉えて弾いておられました。
『掘るように』です。
こ〜いう演奏(でも上質なもの)久しぶりに聴きました〜。
素晴らしかったです。
家に帰って、彼女のことをもう一度、調べてみると・・・
彼女『狼少女』なんですね。狼と話せる?彼女の半生を読んでイメージと
全く違ったんで驚きましたよ。音が色に見える『共感覚』の持ち主とか。
あのベートーヴェンは確かに『狼少女』の演奏だった、だった。
上の映像は日本のテレビで放送されたもの。狼が出てたんでアップしました。
狼少女かあ。(何度も繰り返しますが)
やっぱ、この人も変人系・・?
将来は狼おばさんですか〜?
でも、彼女のこと、すっかり好きになりました。
こちらはバイエルン放送αによる彼女のドキュメンタリー映画。
面白いですよ。
by flageoles
| 2011-03-10 12:06
| 演奏会記録