2011年 03月 27日
人々の中に住まわれる神 |
昨日、ミュンヘンのテアティーナ教会にて行われた、ミュンヘンフィルと
ミュンヘンフィル合唱団有志による『東日本大震災で被災した子供たちの為の
チャリティーコンサート』では、立ち見の場もない程、会場満員の1000人を
超える来場者が集まり、38160ユーロの義援金が集まったそうです。
この義援金は、在ミュンヘン日本国総領事館を通じ、日本赤十字社から
被災地へと送られます。
大聖堂に座すと、どんなに会場満員で千人であっても、人間である以上、
絶対に理解しきれないもの、逆らえないものの前に、私達は徹底的に無力
なんだと改めて感じました。『何故?』と問うことしかできない。
どうしてこんな酷いことが起こったのか?
どうして神はこんなことが起こるのをゆるされたのか?
本当に神なんているのか?
神は私達をなんと思っているのか?
レクイエムを聴きながら、私は果てしない『何故?』を、この2週間、
『沈黙』を守り通している人に、問うていました。
多分皆がそうであったのではないかと思います。
しかし、聖壇を見上げ何度問いかけても、レクイエムと会場の思いが、
天空の静寂に消えてしまうようで、どこかに届いてるという今までの感覚が
どうしても得られなかった。
やっぱり神なんていないんだ。
そう思った時、最後の和音が鳴らされた後の静寂の中に、教会堂の鐘が鳴りました。
誰も予期しなかったその鐘の音に、瞬間、ぐっと息をのみました。
身体の芯まで深く響く音でした。
この鐘の音は、一日経った今も、私の心に響いています。
残念ながら私は今も尚、『神』を見失ったままです。
しかし昨日の演奏会では、人々からとっても大きな励ましを頂きました。
『人々の中に住まわれる神。』
それが、今私にとって唯一の『頼みの綱』です。
こちらで、演奏会の素敵な写真をご紹介くださってます。
by flageoles
| 2011-03-27 22:48
| 演奏会記録