2010年 06月 16日
天に一人を増しぬ |
「天に一人を増しぬ」
セラ・ゲラルデナ・ストック作
植村正久訳
家には一人を減じたり 楽しき団欒は破れたり
愛する顔 いつもの席に見えぬぞ悲しき
さはれ 天に一人を増しぬ 清められ 救はれ
全うせられしもの一人を
家には一人を減じたり 帰るを迎ふる声一つ見えずなりぬ
行くを送る言葉 一つ消え失せぬ
別るることの絶えてなき浜辺に
一つの霊魂は上陸せり 天に一人を増しぬ
家には一人を減じたり 門を入るにも死別の哀れにたえず
内に入れば空きし席を見るも涙なり
さはれ はるか彼方に 我らの行くを待ちつつ
天に一人を増しぬ
家には一人を減じたり 弱く浅ましき人情の霧立ち蔽いて
歩みもしどろに 目も暗し
さはれ みくらよりの日の輝き出でぬ
天に一人を増しぬ
げに天に一人を増しぬ 土の型にねじこまれて
キリストを見るの目暗く 愛の冷ややかなること
いかで我らの家なるべき 顔を合はせて吾が君を見まつらん
かしここそ家なれ また天なれ
地には一人を減じたり その苦痛 悲哀 労働を分つべき一人を減じたり
旅人の日ごとの十字架をになふべき一人を減じたり
さはれ あがなわれし霊の冠をいただくべきもの一人を
天の家に増しぬ
天に一人を増しぬ 曇りし日もこの一念に輝かん
感謝 讃美の題目 更に加はり
吾らの霊魂を天の故郷にひきかかぐるくさりの環
さらに一つの環を加へられしなり
家に一人を増しぬ 分るることのたえてなき家に
一人も失はるることなかるべき家に
主イエスよ 天の家庭に君と共に坐すべき席を
我らすべてにも与えたまえ
(画:小野竹喬)
いきなり、この詩を載せます。
みなさんは、この詩をご存知ですか?
もう何年も何年も前、祖父が天に召された時、
私達家族に叔母がこの詩をくれました。
叔母は祖母の妹ですが、夫を失った姉を、また父親を失った母兄弟を
慰めたかったのでしょう。
でも叔母は何故か、直接祖母や母に渡すのではなく、
孫の私にそっと渡したのでした。
それ以来、ずっと私の中にあるこの詩です。
キリストは『死は永遠の別れではない』と言っています。
この詩が、慰めを求めるあなたのもとに、届きますように・・・・
by flageoles
| 2010-06-16 22:35
| My Prayer